離島ではみんながやってる台風対策

公開日: 2016年9月19日月曜日 ご近所さん 自然

離島の台風事情

台風16号が近くを通ったものの、幸いなことに大きな影響はありませんでした。

しかし、まぁ、なんというか、離島の皆さんは台風対策にとっても慣れていらっしゃいます。それだけ、この島が台風の通り道だということなんでしょうか


台風の影響

台風がやってくると、色々な爪あとを残していきます。関東から離島にやってきて、特に違いを感じるのがこの三つです。

風雨がすごい

鹿児島の南に浮かぶ離島では、台風の勢いが関東にいたころとは桁違いです。

島の周辺では、9月の半ばも過ぎたというのに海水温がまだ28度を超えています。海水温が26.5度以上で発生するといわれる台風ですが、発生温度よりもまだまだ暖かい水温では、力を弱めるどころかエネルギーに変えて成長している真っ只中です。

上陸すれば台風は弱まるとも言われますが、海に浮かぶ離島では台風の力を弱める余地は全くありません。

そのため、東京に住んでいるときはテレビの中の世界でしかなかった強風や強雨を体験することができます。

まだ暴風域に入る前だったのですが、やむを得ず車を運転していたとき、横風で車が横転するような、命の危険を感じたのは初めてでした。

外の世界から隔離される

外から島への交通手段は、飛行機、フェリー、高速船の三つだけです。

最初に駄目になるのはフェリーです。フェリーは、食料をはじめとした外からの物資を運んできてくれる、文字通りの命綱なのですが、これがまた良く止まります。

台風本体はまだ遠くにあっても、海のうねりが先に届いていることもあります。台風本体が通り過ぎた後も吹き戻しの風で波が高いこともあり、ひとつの台風で最低3日。長いときは5日以上もフェリーの入港がとまることがあります。

もちろん、お店にも日配品を中心に商品が並ばなくなるのですが、個人ベースでも宅配便が届かなくなります。

この秋、美味しいブドウを送ってくれた人がいたのですが、台風の影響で鹿児島港で足止めされてしまい、半分くらい痛んでしまっているという悲しい事件も発生しました。

一番最後まで生き残る手段が飛行機ですが、小さなプロペラ機の上に空港はレーダーではなく目視での着陸だそうで、この秋には何度か運休になっています。まぁ、羽田空港でも台風が近づくと運休になりますよね。

大事にされていないな、と実感する

そんなこんなで離島で暮らしているものにとっては結構大変だったりするんですけど、こんな情報を全国版のニュースで見ることはほとんどありません。

台風がくるようです。強いです。

今台風は九州にいるようです。

和歌山で土砂ダムがくずれそうです。危険ですね

名古屋で100万人が避難対象です。風と雨が強いです。

全国の皆さん!今東京が大変です!ほら!新宿駅でみんなが困ってます!
東京がすごく大変です!全国の皆さ~ん!みんな駅で立ち往生してますよ!
大変だと思いますか?ですよね!東京人が今大変です!
池袋も大変ですよ~!!ついでに横浜も大変です!風が強いです!首都東京が大変です!!
水没してます!社員のみなさんは会社に泊まるそうです!
あ~大変だ!日本の首都東京がすごく大変です!
見て!タクシーが木の下敷きになりました!これはすごく大変な状況です!
これは大変だ!どうしようもないです!大都市首都東京が暴風域です!
みなさん気をつけてください!!
ああ~日本の首都東京が台風で大変だ!みなさん!東京が台風で大変ですよ!ほら!!

今は東北が大変です。がんばって
のコピペがホントそんな感じ。

まぁ、マス媒体の名のとおり、マスが相手なのでしょうがないんでしょうけどね。


離島の皆さんは慣れたものです

そんな感じでなかなか刺激的な離島の台風ですが、地元の皆さんは慣れたものです。

食料はストックされています

フェリーが運休しそうだとか、台風が来るとかであわてて買い物に出かけるのは外から来た人がほとんどのようです。(買い物行っても訛りが無いので)

地元の方は冷凍ストッカーをもっている方が多く、野菜は育てている方がほとんどなので、何日か買い物ができなくてもそれほど困らないようです。

家の台風対策も万全

私が借りている家もそうですが、ほとんどの家のほとんどの窓に雨戸がついています。雨戸が無いところでも外から板を固定できるようになっていて強風対策がされています。

昔の漫画(サザエさんとか)で、台風対策として家の窓に板を打ち付けているシーンを見たことがあるのですが、本当にそうやって窓を守るのは離島で初めて見ました。

実際は、釘を打ち付けるというよりは、窓の脇にある金具に板を固定するケースが多いようですが。

浮かれて出歩かない

「台風が来ると田んぼの様子を見に行く」というフラグのネタがあるようですが、そんな風に出歩く人はいません。

雨戸を締め切り、窓を板で保護し、家に閉じこもっているのでしょうか。風と雨の音だけの不気味な静けさで台風の通過を待ちます。

消防団が大活躍

台風が来ると地元の消防団の方が大活躍です。

小学校に拠点を置き、予め地域の一人暮らしのお年寄りを回って準備を手伝ったり、私のような慣れていない人に避難場所などを教えに来てくれました。

台風の通過中も、夜通し順番で堤防の水位を確認したり、危なそうな家には戸別訪問で非難を呼びかけにきたりと活動されていたようです。

消防団の活動、ホントに大変だと思います。が、こういった活動が根付いているからこそ、これだけの防災活動ができているのだと思います。田舎の悪口を言うことが多いブログですが、田舎にはこんないい面もあります。

(でも、本音ベースでは、自分が消防団の中の人をやれといわれたら考えてしまいますが。。。)


これからも何もおきませんように

そんなこんなで、今年はこれまでのところ大きな被害は出ていません。

しかし、日本全国に目を向けると東北や九州本土等で甚大な被害が出ています。私の住む集落でも、ほんの40年ほど前には集落の半分ほどが水没したこともあったとか。

身の回りで、そして日本全国で大きな被害が起きませんように。


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